「子どもを本に戻す」から「本を子どもに近づける」へ――欧米の児童書が変わってきた
関係する記事から動向を読み解いてみます。
変化① 「何ページあるか」より「読み切れるか」
一番わかりやすい変化がより短くする取組です。
米国のmiddle grade(ざっくり8〜12歳前後、主に小学校中高学年〜中学入り口くらいの読者を想定したカテゴリー)では200ページ未満の本が増えています。Sourcebooksの「Fatal Glitch」シリーズは150ページ未満。Simon & Schusterの『An Octopus Named Houdini』は160ページ。
逆に400ページある本でも、1ページに数語しか置かないページや無文字ページを混ぜ、物理的な厚さと読書負荷を切り離す試みも出ています。
とはいえ、短い=内容が薄い ではない事がポイントです。出版社側が意識しているのは「読書体験」で、PWの記事の中でも「一冊読み切った達成感が次の読書につながる」という指摘が出ていました。
読了の可能性は商品評価の一つの軸になってきているようです。
変化② 「文章を読む」一本勝負をやめる
マルチモーダル化もUI変化の一つ。
最近のこのミドルグレードには、コミックっぽいコマや挿絵、写真とかチャット画面みたいなものを配置することも増えているそうです。
単純に読解力の低い子のためにイラストを増やした、みたいな話ではなく、その場面を速く・深く伝えるために文字と絵のどちらを使うのが有効か、という視点で本作りをしているように読めます。
これまで、個人的にはマンガを読めるようになったら小説へ、というような順を追ったイメージを持っていたのですが、マンガも読書フォーマットの一つの選択肢として受け止められつつあるようですね。
英国の図書館のでは2/3が5年前よりコミックやグラフィックノベル需要が増えていると回答しているそう。
変化③ 日本の「ライトノベル」が米児童書の商品設計に入っている
Scholastic社が2026年秋からmiddle grade向け新ラインNEXTをスタートさせます。
・短いページ数
・速いテンポ
・多数の挿絵
・短い刊行間隔
などが特徴だそうですが、この企画の元になったのが日本のライトノベルなのだそうです。


